『海の神信仰の研究』(堀田吉雄、光書房)には、アワビは海の女根の意である。アワというのは阿波、安房(千葉)、淡路、安波根(沖縄)など海につながる土地の名にも多いように、アワは海と考えられ、ビは美、女性である。すなわち海の女性の美、女神の性器である、と書いてある。うーむやっぱりそうであったか。
もっとも貝は全般に女性性器の象徴と見なされている。これは外国でも同じようで、ずっと以前オーストラリアのヘイマン島近くにある巨大なシャコ貝はなにしろ巨大で大きさが一メートルもある。シャコ貝はそのギザギザの貝殻をいつも少し開けていて、餌を狙っている。ギザギザの縁は青や赤紫、黄色がかった橙色、蛍光ピンクといったおどろくべき可変的極彩色が施されていて、どうやらこれで餌をおびきよせるらしい。
水中でこの巨大貝のひらひらきらきらの色とりどりを眺めたとき、即座に池袋あたりの酔街ネオンのつらなりを連想してしまった。
おそらく考えていることの基本的な目的は、オーストラリアのシャコ貝も池袋のネオン街も同じなのであろう。
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