趣味……今、振り返ってみると、歳を重ねるにつれて色々と変わってきたと思います。野球、スキー、スノボー、ゴルフ、車、バイク、釣り……。
でも今は「趣味は?」と聞かれれば、何と言っても「釣り!」です。
釣りとの出会いは、確か10年位前になると思います。「朝の3時に迎えにいくから」という高校からの友人の誘いにイヤイヤついていくというものでした。当時釣りとは、エサを付けて、投げて、ただボーッと魚がかかるのを待つだけと思っていたので、それはそれは退屈そうで、とても魅力があるようには思えませんでした。そんな風にしか思えなかった釣りが、自分の一生の趣味になったきっかけの話をさせていただこうと思います。
その日は現地へ到着すると、慌ただしく準備を整えて川へと向い、藪の中をかきわけていきました。そして友人の指導のもと、エサをつけ竿を出し、10回、20回と流しますが、時間だけが過ぎていき、なかなか釣れません。友人は、1匹、2匹と釣り上げて移動しながら、川を釣り上がっていきます。「釣りって結構疲れるなぁ、釣れないしなぁ」、悲しいかな愚痴がこぼれます。
友人と何が違うのかと観察すると、流すスピード、タナを一定に保ちながら流しているようです。自分も見よう見まねでやっていると「んっ」。チョン、チョンと振動が伝わってくるではありませんか。これがアタリというやつか、「よしっ」と竿を上げてみると、エサがありません。何度かこういうことが続き、友人が言うには、アタリの後のアワセが遅いらしいのです。
「悔しい」。こうなると自分の負けず嫌いの性格に火がつき、今度こそ、アタリを逃すまいと全身の神経を目印と手先に集中していると、目印が川の流れに逆らい急に止まり、チョンと沈むと同時にアワセをいれ竿を上げると、弓のように撓り魚が暴れる振動が伝わってきます。「オーッ」「きた!」心臓が「ドッキン、ドッキン」。友人が「慎重に、慎重に」と見守るなか、頭上の木を気にしながらなんとかネットイン。「ヤッタ!」「ほぉーキレイだ」「魚ってこんなにキレイなんだ」。
これが自分の一生の趣味になるであろう、釣りの原点22cmのイワナとの出会いでした。
今では海釣りへと変わりましたが、続ければ続けていくほど奥が深いもので、季節、時間、場所、潮周り、竿、リール、ライン、仕掛け、エサなどを考え、色々な魚に出会うことができるのです。
また今年からは、釣り会にも入会し、新しい仲間との交流もあり、「釣り」という趣味を教えてくれた友人に、ただ、ただ感謝です。
また今日も「オーッ」「きた!」心臓が「ドッキン、ドッキン」の、感動を味わいに出かけるのでした。
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