NEOS前号の「業界ネットレビュー」で紹介された、ビクターのアンティークなネオン看板について、組合事務局より詳しく調べて欲しいと私どもにも依頼がありました。
クロードのネットワークでは多くのすばらしい先輩諸氏がおられるのですが、昭和11年頃という戦前のクロードを直接経験されている方はなかなかお見えになりません。
そこで私共の会長に相談したところ、岡山にある(株)デンショクの神谷専務ならご存知ではないかとのアドバイスのもと、早々電話でくだんの看板について、問い合わせました。
神谷専務のお話によると当時の社長室にも同様の看板が置いてあり、ご自身も当時この看板の修理を手がけたことがおありとのことでした。
当時はネオン管は自社にて製作し、トランスは輸入品だったようです。
また看板下部の銘板についても、以下のようなお話を頂きました。銘板中央にあしらってある建物は、当時竣工したばかりのクロードの社屋(現在の芝浦あたりとのこと)であり建物屋上から伸びる5本の筋は、誘致の決定したオリンピックを記念して設置した五輪マークをデザインしたネオンサインとのお話でした。
ご存知の方もおられると思いますが、戦前日本ではアジアではじめてのオリンピック誘致に成功したにもかかわらず、第二次世界大戦のためやむなく辞退しオリンピックの東京での開催は戦後に持ち越されてしまいました。
古いネオンサインについている小さな銘板ですが看板の正面中央に堂々とあしらってあるのを見ると、当時の先輩達の仕事(ものづくり)に対する誇りと自信を感じさせます。
ところで ビクターと言えば蓄音機(発明当時はトーキングマシーンと言っていたようです)から聞こえる亡き主人の声に耳を傾ける犬(ニッパー)のマークで有名です。
このロゴマークには “His Master's Voice”という名称がありCDショップのHMVもこの頭文字からとっているのをご存知でしたか?
この原稿を書くのにネットで色々なサイトをみてまわったのですが、ニッパーに関するサイトが随分あるのに驚きました。
蓄音機が出来て以来ずっとこれほど、世界中の多くの人々に愛されている、ロゴマークも珍しいのではないでしょうか。
皆さんも是非機会があれば、サイトにアクセスしてみては如何でしょうか。
我々ネオン業界にとって、この愛すべき犬(ニッパー)とは、切っても切れない縁がありますから!
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