ラスベガス視察 |
||||||
ネオンとカジノの町ラスベガスで、本格的ネオン博物館建設計画が関係団体、企業の協力で進んでいます。 今回、全ネ協ISAエキスポ2005視察団は、建設準備中の現場を訪問しましたので、その状況をご報告します。
視察状況 *訪問の経緯 ラスベガス市計画開発局訪問の際、この博物館の建設計画が市当局の後押しもあって、着実に進行しているとの説明を受け、是非見学したいと申し入れたところ、快く受け入れてくれ、早速訪問の手配をしていただいた。 *現在の展示内容 迎えてくれたのは、きびきびした動作の若い女性。名刺もお持ちでないので恐らく地元のボランティアではないかと思われた。ゴミ捨て場のヤードといった感じの博物館前で一人につき5ドルの入場料(というより施設維持協力金といったところ)を支払い、倒れそうな扉を全員協力して開く。 中に入ると、あるわあるわ、昔懐かしい(といっても実際に見たことがあるというわけではないが)、ラスベガスカジノ調の大型サインが一杯。正面に金ぴかのハイヒール、そしてカウボーイ、魔法のランプ、フラミンゴ、ゴールデンナゲットの巨大看板などなど、さながらネオンの墓場といった様相で所狭しと置いてある。 さて、メラニーさんの説明によると、このネオン博物館の構想は今から20年ほど前に始まったとのこと。当時ネオンアーティストの一グループが中心になり、徒に放置してあった取り外し後のネオンを保存しようとする動きがあり、これに当時ネオン管の製作から看板リース事業まで手を広げていたヤングネオン社が協力して運動が開始された。どうやら、このヤードはもともとヤングネオン社の敷地であったようだ。現在1940年代以降のサイン看板が100基以上保管、展示されているという。確かに無造作に置かれているようなサイン看板は、よく見ると一つの構想にしたがって並べられており、風化を防ぐため一つ一つが慎重にコーティングされ、固定されていることが分かる。 魔法のランプは1970年代の作品、巨大なシルバーハイヒールは1950年代にハワードヒューズがホテル・デザートインに宿泊したが一晩中眠ることができなかったためホテルを買占めその屋上に撮影会社の秘書であった女性のハイヒールをモデルにした電飾を設置したもの、ショウボート、スターダスト、ラッキーベアーなどなどそれぞれの由来についてのメラニーさんの解説は続く。余程のネオンファンらしく説明は滑らかである。 *将来の計画 1997年になって、この動きが進んで正式に「ネオン博物館」と称する非営利組織となり、以後、ラスベガス市当局を始め多くの団体、企業が正式な博物館の立ち上げに向けて、運動を続けている。 将来は、ネオンに関する公共教育、研究開発、調査、作品保存、資料整備などを行うネオンの総合博物館で、館内には図書館、売店、ティールーム、セミナールーム、パーティルームからネオン管製作実演、倉庫、野外作品展示場などまで完備し、館内ツアーガイドも置いてラスベガス観光の目玉となる姿をイメージしている。 実際、今回のISAサインエキスポ会場内では、少なからぬブースに「当社はネオン博物館設立に協力しています」と表示したスタンドが誇らしげに掲示されていた。 実現が何年先になるか予想はつかないものの、一日も早い実現を期待したいものである。 <写真はこちら> *ネオン博物館の詳細は次のホームページで見ることが出来ます。 http://www.neonmuseum.org |