味自慢・酒自慢 まいう〜 |
四国支部 (有)前山ネオン 玉井研二 |
店の名は「まいう」。うまいとかおいしい事を今の若者達は「まいう〜」と言うのだそうだ。その流行り言葉を店の名に付けたのだと大将は言う。 高松の飲み屋街と言えば古馬場、そこから北へ少し入った御坊通りにその店はある。 大将と私は、工業高校の電気科の同級生である。なぜ電気科を出て板前に?…それを語れば長くなるのでまた後日。とにかく電気工事士の資格を持った腕のいい板前であることは確かである。気さくで人なつっこくユーモアたっぷりのその人柄のせいか、連日店内は客で賑わっている。 まあ、店と大将の紹介はこれぐらいにして本題に移ろう。 この店の売りは何と言っても「酒」である。酒と言ったら何と言っても新潟、久保田(万寿)をはじめ、景虎、〆張鶴、八海山、雪中梅、名古屋の醸し人九平次、山形の三十六人衆、富山の銀盤、福井の黒龍、地元四国香川の凱陣、高知の亀泉、徳島の芳水、愛媛の梅錦。あふれんばかりの枡酒で一杯。まさに至福の一時である。 この素晴らしい酒に合うのが旬の魚。そう、今なら脂ののった戻り鰹、キスなど。珍味では霜降和牛の塩昆布巻など、どれをとっても大将の酒に対するこだわりの一品である。中でも、さぬき地鶏の鳥鍋。寒さが深まるにつれ、この一品は店のメイン料理になる。醤油ベースに酒、地鶏を煮込んだ甘辛いスープの中に、ごぼう、大根、にんじん、鳥ミンチのつくね。柔らかく煮込んだ地鶏とごぼうのシャキシャキ感は何ともたまらない食感で、この酒達を引き立たせてくれる。自家製豆板醤を少々加えれば、これもまた美味。 最後に、雑炊またはお茶漬け。これでもう完璧である。 「まあ、いっぺん来てみまい。」 追伸:「玉井のけんちゃん」から聞いてきたと大将に言えば割引も可。 |