World Sign バックナンバー 世界のサイン、遂に出版される
VOL.117  グルジア文字
グルジア文字

 加藤登紀子が歌う「百万本のバラ」を知らない人はいないだろう。私もこの曲が好きで、昔カラオケで練習したものだ。
 この歌の物語が事実にもとづくことを知ったのはごく最近のことだ。主人公はニコ・ピロスマニというグルジアの国民的画家でフランスの女優マルガリータがこの国にやってきたときの話である。貧しかった画家が街じゅうのバラを買い集めて愛を捧げたが恋は実らなかった。
 そのピロスマニの絵も純朴で心に響くものがある。こんな画家を生んだ国、ピロスマニを敬愛してやまない国グルジアをあらためて見直した。
 数年前グルジアを訪問したとき、この国独特の文字に惹かれたことを思い出した。それはまるで使い古した釘か釣り針のように曲がった曲線でなり、一見子供のいたずら書きのようでもある。いかにもピロスマニを生んだ国に相応しいように思った。写真は首都トリビシの「子供の絵の美術館」の玄関とその上の館名サイン。
 この国がついこの前、領土問題でロシアと交戦したことに胸が痛んだ。

 





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