イランに行ったときトイレには面食らった。部屋の中には扉がずらりと並ぶだけで小便器が見当たらない。うっかりして女性の方に入ってしまったのかとあわてたが女性用は隣にちゃんとあった。後で分ったことだが、イランでは男性が小をする場合もしゃがんでするから小便器はいらないとのこと。
イエメンに行ったとき、トイレの表示に水道の蛇口を描いてあるものを見かけた。トイレを手洗いというからには的を得たピクトサインに違いない。ところが、レストランでこの水道のサインを見かけたのでてっきりトイレと思って入ったら洗面台がずらりと並ぶだけ。みんなせっせと手を洗っている。手洗いだけの部屋なのだ。
この国の人たちはなんと清潔なことかと感心したが、手だけではなく洗面台の上に足を乗せて洗っているのもいる。さてはお祈りをするために身を清めているのか。しかし、そこはあくまでもレストランでお祈りしている人はいない。考えてみれば彼らの食事は手づかみだから手洗い専用の施設があってもおかしくはない。でも普段観察する彼らはそう清潔でもないのだ。イスラム圏には不可解なことが多い。