南米のエクアドルは赤道直下に位置する。首都のキトから北へ20キロばかり行ったサン・アントニオ村というところにその赤道が通っているということで、赤道記念碑が建っていた。赤道を黄色のラインで引き、そのライン上にある高さ30メートルの塔が記念碑というわけだ。内部は博物館になっていた。
周囲は土産物屋やレストランが並び、テーマパークのようになっていて観光客が大勢つめかけている。大人も子供も赤道のラインをまたぎ記念写真を撮っているのがほほえましい。
公園の広場には見覚えのない人物の胸像が10数体厳かに立っている。それはこの地で赤道を観察したフランス人科学者に敬意を表したものだった。ところが、測量技術が未熟だったのだろう、実際の赤道は数百メートルずれていたことが後日判明した。だから、みんなが嬉々としてまたがっているラインはニセモノなのだが、記念碑とは本来そんな程度のものなのだろう。
そういえば赤道は地球を一周しているわけだから、沢山の国に記念碑があってもよさそうなものだが聞いたことがない。その理由は地球儀を見て理解した。ほとんどが海で陸地は山岳や砂漠ばかりなのだ。
赤道直下の国はさぞ暑かろうと思ったらさにあらず。何しろキトの標高は2,850メートル。富士山とほぼおなじなのだ。