芸術の都といえばパリを指すがバルセロナもその愛称にふさわしい。若かりしピカソやミロがこの都市で活躍し、ダリもバルセロナに程近いフィゲラスの生まれである。建築家ガゥディの作品のほとんどがバルセロナに存在し市内には美術館が多い。それらを見て回るだけでも一週間はかかるだろう。
さらにこの都市に華やかさを添えるのは数々のパブリックアートである。ロイ・リキテンスタイン、フェルナンド・ボテロ、フランク・O・ゲーリーなど名だたるアーチストの作品がいたるところに設置されている。
この都市一番の繁華街であるランブラス通りの路上に埋め込まれたミロのモザイク画も見ものだ。ともすると人波に隔てられて見失いそうになるが、この巨大な絵模様はこの街にこそふさわしい。
文化レベルの高いこの都市もいまやユーロ危機にあえぎ荒廃が目立つ。失業者があふれ、そのためスリが多いのだ。添乗員から口をすっぱくして被害にあわないように注意されながら、ついつい財布をすられてしまった。もっとも用心して使い古しの財布に現金を少々入れただけだったので被害は少なかった。