VOL.14 ヨーロッパの突き出しサイン 「ウィーン編」

 ウィーンではリンクと呼ばれる旧市街が面白い。王宮やシュテファン寺院など素晴しい古典建築に混じって、超モダンな近代ビルが顔をみせる。古さと新しさが同居する様は最近の京都に似ていようか。高級ブティック、宝飾店、画廊などが連なる通りを、ファッション誌から抜け出たような美女が闊歩し、銀座や青山を連想する。かと思うと、その先の広場にはジーパンルックの若者達がホットドッグの屋台に群れていて新宿、渋谷の雰囲気。華麗な歴史の重圧をはね返す活力がリンクの魅力と言えるだろう。
 突き出しサインも前衛風が幅をきかし、ヨーロッパの他の都市では見かけない斬新さに溢れる。ステンレスのつくりのものが多い点もヨーロッバ的感覚から外れる。
 しかし、オリジナリティに対する執着はここでも、共通するもので、一つ一つが素材から表現まで実に多様だ。
 





1998 Copyright (c) Japan Sign Association