ボリビアは流石に遠い。2日連続の機内泊では時間の感覚がなくなる。腹が減ったのか、減らないのかわからないし、体中の骨が固まってしまったような感じだ。
でも、ウユニ塩湖の素晴らしさは十分にその代償を補うものだった。
水の深さはわずかに2センチ程度。その下は一面の真っ平らな塩の大地なのだ。波がないから、青い空も白い雲も遠方の山山もそのまま映し出す。海抜3700メートルの高さは天空の鏡と言われる由縁だ。遠方の人や車はまるで宙に浮いているように見え、まさに異世界。グループの面々は老いも若きも大はしゃぎで時間を忘れた。
そのど真ん中で昼食をとった。4WD4台が囲む真ん中に日除けのシートを張り、その下に組み立て式のテーブルを並べる。メニューは串に刺した大ぶりの肉と茹で玉子にパンにサラダ、フルーツと日本から携行のみそ汁つき。高所なのでビールが味わえないのだけは心残りだったが、豪華そのもの。富士山なみの高所なのに風がないから寒さはそれほどでもない。これぞ天空の食卓ではないか。面々は空のピクニック気分を満喫した。