ワルシャワのへソとも言える中心部に「文化宮殿」と呼ばれる建物が37階の威容で聳え建っている。1952年にスターリンからのプレゼントとして建てられたそうで、権威主義的な外観と相まって市民には至って評判が悪い。「ソビエトの建てたワルシャワの墓石」とさえ呼ばれ、中では春を売る女が店開きしているとの噂があると現地ガイドが話していた。
その信憑性は定かではないが、夕食後周囲を散策していたら文化宮殿の名に相応しくないネオンが目に入った。写真のサインでカジノには違いないようだが、それにしては辺りに人影が見えず、森閑としていた。
カジノは外貨不足に悩む東欧諸国の収入源なのか、今回巡ったどの国のホテルでも営業していた。試しにプラハのアトリウムホテルで覗いて見たら、客はわれわれ一行の日本人だけ。プレー客より従業員の方が多いくらいの閑散ぶりに、これで採算が合うのだろうかと心配になった。
なお、帰国後知ったことだが、文化宮殿の地下には以前国営のナイトクラブがあり、今は民営に切り変って営業しているそうだ。
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