アイスランドが日本と似ているのは火山国であり、温泉が至る所に湧き出ていることである。ただし、日本のようにどこにでも温泉旅館を建てたりすることはしない。この国ならではの、どでかい露天風呂があるだけ。
首都レイキャビークから40キロのところにブルーラグーンという世界最大の露天風呂があるのだ。この温泉の体験が今回の旅の主目的だった。
男女別々に水着に着替えてデッキにでる。その寒いことといったらない。なにしろ外気は零度に近く、おまけにみぞれがちらつき、寒風が襲う。向こう岸は湯気につつまれて確認できない。ほうほうの体で温泉につかる。ちょうどいい湯加減だ。女性は白い粘土状のものを顔に擦り付ける。肌がつるつるになるそうだ。お湯の中でワインのグラスを傾けるつわものカップルもいるから驚きだ。我々は見張り台の陰に身を隠したが、今度は出るに出られない。
効能は日本の温泉より強烈で、翌朝までぽかぽかしていた。地熱発電所の地熱を利用して作られたもの。ホテルで出るお湯も温泉のお湯が引いてある。