World Sign バックナンバー 世界のサイン、遂に出版される
VOL.165  信頼のエンブレム
信頼のエンブレム
 長崎から東京に向かうある晴れた日、富士山の見える左の窓際に席がとれた。運が良いことを喜びながら席についてみると折角の景色をエンジンがさえぎっている。富士山が見えないことにがっかりしていたところに、エンジンに貼られているエンブレムが目に入った。こんなところに着いているエンブレムを見ることはあまりないことであるから、飛行中ついつい見入ってしまった。
 丸い円のまわりに“Pratt&Whitney、Dependable Engines(信頼のエンジン)”と読み取れる。乗り物に乗った自由と開放的のんびり感で、いろいろ調べて見るとこの会社は1860年にフランシス・プラット (Francis Pratt) と、エイモス・ホイットニー (Amos Whitney) によって、アメリカ・コネチカット州に設立されている。当初はミシンや、南北戦争のアメリカ合衆国軍(北軍)用の銃などを製造するための工作機械を製造していたが、1925年から航空機用エンジンを手がけて現在に至っている。そのエンジンはボーイングはじめ多くの航空機に使われているそうだ。
 このエンブレムは1925年当初から使用されていて、最初にデビューしたのが「エアロダイジェスト」という業界紙の広告で、アメリカのシンボル、イーグルを中央においてマイナーチェンジを経ながらも、いまもこうして100年近く使用されている。私達、庶民には縁が薄いかもしれないが、世界中のパイロット、メカニックなどの航空機関係者にとって正に信頼のエンブレムなのであろう。
 





2017 Copyright (c) Japan Sign Association