World Sign バックナンバー 世界のサイン、遂に出版される
VOL.168  富士山の雲は地球のサイン
富士山の雲は地球のサイン
 ある朝、富士山のそばにポッカリとシフォンケーキのような不思議な形の雲が現れた。あれ何だろう?珍しいから写真に撮ろうと、カメラを持ち出した。そのうちにみるみるケーキの数が増えてきて、とうとう広角レンズにも入り切らないくらいの数になる勢いである。面白くて目が離せないでいると、今度は富士山の頂にぽっかり傘のような雲が現れた。ここまでくると頭の中は「はてなマーク」だらけになってしまった。にわか勉強で調べてみると、シフォンケーキのような雲は「吊るし雲」といい、笠雲と並んで富士山独特の雲。これは蒸気を含んだ暖かい空気が富士山にぶつかって強制的に上昇させられ、そして冷たくなった水蒸気が凝結して雲となる。だから吊るし雲と笠雲が同時に現れると80〜85%の確率で雨になる。ただ笠雲が単独で現れて頂から離れて高いところにある場合には晴れるという。
 富士山近郊では「富士山が傘をかぶれば雨となる」「離れ笠雲がでると晴れる」と、昔からの常識だそうだ。その言葉どおり、その日は夕方から天気は崩れて雨になった。
 富士山の雲は地球のサインだと改めて悟ったのであった。





2018 Copyright (c) Japan Sign Association