点滅ネオンもボーダーネオンも日本の専売特許のようなもので、ヨーロッパで見かけることはごく少い。その両方に東欧の都市ワルシャワで出合うとは意外だった。但し両方とも白一色で、そこが東欧風ともいえようか。
点滅ネオンはデパートの壁面を飾るもので、風車状に配されたネオン管が追かけ点滅と全点、全消を繰り返していた。まさに日本の点滅ネオンの常套手法そのもの。ボーダーネオンは歩道をまたぐアーケードの軒一ぱいに設けられたもの。ミュージックホールのサインだろうか、かなりのスケールではあるものの、不揃いな管が並ぶ無細工さはとても日本では通らないしろもの。白一色なのは条令ででも制限されているのだろうか、華やかな日本のネオンを見慣れた目にはちょっと寂しい。しかし、外灯も少なく真っ暗らな上に人通りも閑散とした街中では異様なほどの明るさだ。数週間前に第一号店がオープンしたマクドナルドの、そこだけが光の発光体のようにきらめいて見えた情景と合わせて、資本主義の波に洗われはじめたワルシャワの夜を象徴しているかのように思われた。 |