ストックホルムの地下鉄はブルーライン、グリーンライン、レッドラインの3路線の全長110キロの100の駅のうち、90以上の駅で多くの芸術家の作品が見られる「世界一長い美術館」と言われている。アートをより身近なものにという2人の芸術家の運動がきっかけとなり、駅ごとにテーマのある作品として造られた。17年にわたる計画・建設の後、北欧初の本格的な地下鉄として1950年10月1日に開業した。
掘削した岩盤を生かした白地に青で植物のレリーフが描かれている駅、真っ赤な色彩の空間にグリーンで自然の風景をダイナミックに描いた駅、動物たちを柔らかなタッチで描いた駅や、青い空と雲をモチーフにした駅、岩盤の壁と空間を一体的に緑地に赤と白のラインで構成した駅など様々なテーマと表現方法による個性的な駅空間は、地下鉄利用の楽しさと同時にスウェーデンの地域的特性と数多くのユニークなデザインによって駅個別のアイデンティティと地域のイメージを強烈に発信している。