日本の市街地における道路標識の中では安全色として6色(赤、黄赤、 黄、緑、青、赤紫) が決められている。それらは全て彩度の高い色彩で街の中でよく目立つ色が選ばれている。以前、機会があってミネアポリス大学に行ったとき。周辺街路の横断歩道などの標識が蛍光色の黄色で設置されている風景を見て、周辺に他の標識がないこともありとても綺麗で街のアクセントになっているように見えた。ここでは蛍光色の黄色だったが、米国の道路標識を調べると学校標識の項目に蛍光黄緑色が使われることが記されていた。
日本でも安全色として目立つ色が指定されているが、蛍光色の標識は見られない。屋外広告物条例でも蛍光色は街の景観を阻害すると考えられ、禁止されている例が多い。しかし、米国のみでなく日本においても工事中に関する標識などは蛍光色の看板が使われている例がある。一般市街地や山間部の工事中の標識などは文字を読ませることも重要であるが、まず、蛍光色によって注意喚起をし、その上で内容を伝えるのが効果的である。一般的な標識や屋外広告物は景観との調和を考えてあまり彩度の高い色彩を抑えることは当然だが、そのような環境の中で、限られた学校標識や横断歩道、工事中標識などに蛍光色を使用することは、安全確保の面からも蛍光色そのものが遠方からの視認性を促し、サインとしての効果を発揮し周辺環境のアクセントとなり、効果的なサインの一つの方法ではないかと思う。