夜の8時過ぎ、ニューヨークのタイムズスクエア周辺をぶらぶらしていたら、素通しのウィンドごしに見える銀行やオフィスの室内が煌々と明るい。時間でさっさと仕事を切り上げるように聞いていたアメリカ人も結構残業するじゃないかと思ったが、不思議なことに人影が見えない。某日本商社の現地支社長氏に尋ねたところ、警備費の節約のため、ニューヨークでは夜も照明を消さないビルが多いとのこと。なるほど、明るくてはドロボーも仕事がやりにくいしその分ガードマンの出費も抑えられるというわけだ。さすが、合理主義の国アメリカの経費削減対策は、日本と一味違うわいと感心しきり。明るいウィンドは夜の宣伝効果にも一役買っているようだ。中には色つきライトやネオンで演出しているものもあり、正に大型のショーウィンドといった趣き。こんな発想の転換が功を奏してか、最近のアメリカの景気回復は目ざましい。
ついでながら、この国の工場は早番組と遅番組の交代制で稼動率を上げているところが多い。早番なら昼間の3時には仕事が上がるから、ブルーカラーは残業しない代わりに空いた時間をアルバイトに精出す。日本人は働き過ぎと批判されるが、副業時間を入れれば実態はどうなることか。 |