| VOL.31 北欧の巨大寒暖計はアナログ式 |
 デンマークで思い浮かべるのは人魚姫の童話で知られるアンデルセンとチボリ公園。メルヘンチックな国をイメージするところから、気候も穏やかなのかと思っていたらとんでもない。この国はカラフトよりも北に位置し、首都コペンハーゲンの緯度はモスクワとほぼ同じ。ヨーロッパ大陸でスカンジナビア半島に属さない唯一の北欧と呼ばれる国なのだ。 そんな国の初夏爽やかなコペンハーゲンで冬の厳しさを想像することは難しいが、わずかにかいま見る思いをしたのがこの巨大寒暖計である。最低目盛りがなんとマイナス２０度まできざまれているではないか。それにしてもこの寒暖計は楽しい。ネオンの目盛りに沿ってアルコールに見立てた赤いネオンの点灯が上下して気温を示す。ちゃんとアルコール溜まりまでつくってあるところが憎い。建物の高さ方向いっぱいのネオンはこのビルの装飾にもなっている。 日本でも街にデジタル式の温度計はよく見かけるが、気温表示はなんといっても暑さ寒さが視覚で確認できるアナログ式の『寒暖計』でありたい。厳しい気候の国では街のこんな寒暖計も生活を守る必需品の役割をはたしているのだろうか。 |
