海外旅行の旅先では足を頼りに極力
歩くことにしている。ただし、後学の
ためいろんな乗物にも一度は乗ってみ
たい。バスはルートが複雑なので、う
っかりするととんでもないところにつ
れて行かれる可能性があるが、その点
地下鉄は路線が比較的単純だから気軽
に利用出来る。運賃が安いので歩き疲
れたときにはもってこいだ。
プラハの地下鉄にはいささかビック
リした。ホームに降りるエスカレータ
ーのスピードがものすごく速く、しか
も気のせいか勾配も急に感じられる。
これでは老人子供には危険ではなかろ
うかと気になった。深さがまた相当な
もので、奈落の底まで連れていかれる
のではないかと心配したほどだ。
その長い道程をまぎらわせてくれる
かのように、天井からぶら下がった広
告板の数のおびただしいこと。まるで
どこかの国の袖看板のように進行方向
にギッシリ重なっているから、ほんの
目の前に来ないと板面が見えない。意
味が分からないなりに眺めていると、
あわただしいことこのうえない。表示
が全部違うところを見ると、プラハの
広告需要も捨てたものではないよう
だ。もっとも、他に広告媒体が少ない
せいもあるかも知れない。