World Sign バックナンバー 世界のサイン、遂に出版される
VOL.70  チャイハナのメニューサイン
チャイハナのメニューサイン

  ひょんなことから中央アジアのウズベキスタンを旅することになった。昔、シルクロードの中継地点として栄えた国という以外何の知識も持ち合わせてなかった。
 シルクロードとは鉄道のように東から西に向けてひかれた1本の道かと思っていたが、そうではなくて、南北に枝分かれしたり、結構錯綜している。そんな古くからの道をヒヴァ、ブラハ、サマルカンドとこの国の古都を縫って一日500キロ近くもバスで移動した。昔アレキサンダー大王やジンギスカンが跳梁し、マルコポーロが通った道と思うと感慨深い。放牧地では少年が連れていたロバにかわるがわる乗せてもらったり、結構面白い体験もした。
 途中、昼食とトイレでお世話になるのがチャイハナと呼ばれるご当地風茶店である。飲み物のほかはシシカバブ程度しかなく、ホテルで弁当を作ってもらってチャイハナで食べた。中にはトイレもない店があって女性にははなはだ不便な旅でもあった。
 トイレだけ借りた写真の店は肉料理の屋台が並び比較的大きい方だった。右端の手持ち無沙汰ぎみに立っているのがこの店の奥さん。ペンキ書きのサインに示されたメニューの文字を現地ガイドに訳してもらったら、左からPALOVは普通の焼肉、JIZZAは串焼き、 KABOBは羊の尻肉。一番右のSHASHLIKはピラフとのこと。さすがは牧畜の国、肉料理が多い。
 ウズベキスタンは回教の国だが戒律はあまく、中にはブタ肉を食べる人も多いらしい。戒律が甘くなったのはソ連の統治時代、宗教を禁止されていたからとのこと。

 





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