World Sign バックナンバー 世界のサイン、遂に出版される
VOL.72  古都ブハラの奇妙な窓
古都ブハラの奇妙な窓

 アメリカのアフガニスタン攻撃でテレビに映し出されたカブールの街は瓦礫そのものといった光景だったが、ここはかつて世界でもまれなほど緑豊かな美しい都市だったとのこと。ウズベキスタンの古都ブハラの旧市街はちょうどそんな情景を忍ばせてくれるような印象を受けた。
 街の一角にラビハウスと呼ばれる大きな人造池があり、その周囲を樹齢数百年という楡の古木が取り囲む。池には白鳥が泳ぎ、典雅なムードが漂う。
 朝の散歩でその周囲を巡っていて出会ったのが写真の窓である。吊されているのは肉の塊、であるからには肉屋ではなかろうか。中は薄暗くてよく見えないし、さし当たって客の来る様子もないのでそのまま通り過ぎたが、なんとなく気になる奇妙な佇まいであった。
 帰国後、ツアーで一緒になった英語堪能の女性にインターネットで問い合わせてもらったら、やはり肉屋であった。わざわざ窓に吊すのは営業中であることを知らせるのと、肉が新鮮であることを見てもらうためとのこと。しかし、これではハエがたかるだろうし、夏場は腐りやすいだろう。尤も、商品としての肉は冷蔵庫に保管してあるようだが。国が違えば風習も違うということか。

 





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