ベトナム戦争終結からはや28年。今や経済発展が目覚しいと聞いてはいるが、この国のネオンサインの普及状況はいかがなものか、大いに関心がつのった。
最初の訪問地ハノイはこの国の首都ながら、ネオンはホテルやレストランの店名に添えられる程度で媒体サインも知れたもの。すっかり当てが外れた。
北から南に下るツアーの訪問先では一つだけ印象的だったのはフエの王宮ネオン。城壁に沿った裸ネオンの赤い文字が小雨にけぶり、にじんで見えたがすぐ消された。何と表示されていたのか、ガイドに聞いたら「新年おめでとうございます」とのこと。時、一月末で旧正月に備えた飾りつけの準備だったのだ。
ベトナムのネオンはこんなものかと思っていたら、ホーチミンに着いてビックリ。空港から市内までのネオンサインの華やかなこと、まるで別の国に来たかと思うくらいなのだ。それも、デザインや点滅手法で垢抜けしたものが少なくない。
明けて正月元旦の夜はすごかった。ドン・コイ通りの中央、市民劇場に面する広場は爆音がとどろき、ネオンサインの光の中、若者たちのオートバイが洪水のように列をなして周回していた。これがベトナム人の新しい年を迎えた祝い方なのだろう。