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■ 米国人が日本のネオンを紹介 ■ |
関東甲信越北陸支部 T.O. |
![]() 著者のKODYさんは1994年生まれのコネチカット州出身で、現在はニューヨークでベンダーとしてネオンの様々なプロジェクトで活躍する若者だ。その彼が日本のネオン文化に興味を抱き、2018年9月に日本へ渡り、大阪のヨシネオンスタジオの安富義仁さんの下で昨年末まで働いていた。滞在中は日本のネオンベンダーとの交流や昔の資料などを通し、日本のネオン産業について詳しく勉強されたようだ。KODYさんと安富さんの関係は2019年6月発行のNEOS vol.174号に安富さんの投稿記事として書かれているので是非読み返して頂きたい。 さて、届いた本の内容だが全て英語で書かれているので読解に今も奮闘している。英語には多少覚えがあるが所詮は旅行で困らないレベル。辞書を引きながらでは進まないので写真を頼りに何となくの想像で読み進めてみた。 構成としてはネオン技術の発明期から日本渡来以降のネオン産業発展の流れを的確な解説と豊富な写真でまとめられている。私自身、日本のネオンに関する資料はこれまで断片的なものしか見てこなかったので、このように一冊の本として簡潔にまとまった資料は業界的にはかなり貴重なものだと思う。残念ながら夜間のスペクタクルな広告景観をネオンで埋める時代ではもうないが、アメリカとはまた全然違う日本独特のネオン文化はKODYさんにとって興味深いものに映ったに違いない。 日本では産業としてはしぼんでしまったネオンだが、デザイン性の高いサイン、イベントやアートの領域で再び息を吹き返えしている空気を感じる。若い世代のデザイナーやベンダーの活躍の場が今後増えていくことを願うと同時に、新しいネオン文化を記録した本の登場にも期待したい。 |