今も尚、輝くネオンサインをとおして
わたしは昭和63年( 西暦1988年)9月に静岡市葵区に生まれた37才のネオンサインです。わたしが生まれた年には青函トンネル開通、ドラゴンクエストⅢが発売、東京ドームOPEN、など誕生日は一緒です。
皆様ご存知のわさび漬けで有名な田丸屋様の広告をネオンサインで表現し、昭和63年から令和7年現在までの37年間毎日、新幹線から見てもらえるように頑張っております。
近年、省エネが叫ばれネオンサインが姿をけしている中、鉄骨の再塗装は行なっておりますが37年前のネオン管、板金文字、配線等がそのままの姿で現存しているネオン看板は考え方によっては物凄い省エネに繋がっていると思います。デザインも37年前と変わらずにわさび漬けのイメージはまさにこのデザインでしょう。
これからも今のまま何歳までお披露目出来るか分かりませんが、まずは40歳目標です。
37年前から静岡駅に到着する新幹線をご利用される乗客の皆様に車窓から見えるこの看板は【田丸屋のわさび漬】のイメージをネオン広告塔という形で昼夜問わずアピールして参りました。長きにわたり屋外広告の役目を果たすためには定期的に確実なメンテナンスを怠る事なく行なってきた証と考えております。
看板の規模
このネオン塔は地上17mの建物の上に高さ5mワイド9.45mのネオン広告塔です。ネオントランス15000Vを47台と12000Vを1台、9000V1台の計49台のネオントランスを使用して、長さ約500mのネオン管を点灯させています。
ネオン管の仕様と電気容量
使用されているネオン管は直径φ14で、マークは着色レッドCBR(n)と社名ロゴは着色イエローCYY(a)、ベースの縦ボーダーは着色グリーンCGG(a)、商品名の「わさび漬」は蛍光ホワイトFD(a)の4種類のネオン管が使用されています。
また、「マーク・田丸屋の」はダブル配管、「わさび漬」はダブルダブルと言われる二重輪郭配管となっていて常時点灯、ベースのバックボーダーは32段の点滅器により流れ点滅を繰り返した後に全滅から全点となるパターンを繰り返しています。電気容量は8.21KVAと省エネのLED照明と比較すると約2倍程の電気容量ですが、ネオン管の光は他の照明にはない独特の光と思います。
今も現役で活躍している屋上ネオン看板が残っている事から、昭和63年9月に書かれた手書きの図面は保存され、当時の仕様を元にメンテナンスが継続されています。
当時の図面からネオン配線図をご紹介いたします。
ネオンの仕様が事細かく記載されていてネオンを扱う会社の方々は手書きの図面を見て懐かしく思われるのではないでしょうか?
関東甲信越北陸支部
アオイネオン㈱
田村秀広
資料提供:株式会社田丸屋本店
看板企画:株式会社田丸屋本店
設計製作:アオイネオン株式会社

