九州大学研究室でネオンアート制作

栗山准教授との出会い

 栗山斉准教授から最初にお電話をいただいたのは、昨年の夏頃のことでした。 その前から、ミトマネオンの三苫さんや、キハラネオン製作所の木原常務など、さまざまな方に連絡を取られていたそうで、後から伺った話では「ネットで検索して片っ端から電話していました」と笑いながら話してくださいました。
 ご相談の内容は、「九州大学の研究室でネオン管制作を行うため、一式の機材を譲っていただける方をご存じないでしょうか」 というものでした。

 九州地区でも廃業された会社はいくつかありましたが、機材はすでに処分済み。 全国に目を向ければどこかに残っているのではと思い、懇意にしている協和電子の亀田社長に相談したところ、「思い当たる会社があるので確認してみます」と快く引き受けてくださいました。

 数か月後、栗山先生から再度ご連絡があり、亀田社長に状況を伺うと、関東ネオンの坂口社長が 「すべて無償で提供しますよ」 と申し出てくださったとのこと。こうして機材は九州大学大橋キャンパスへ発送され、坂口社長と奥様が自ら設置に立ち会い、技術的な指導まで行ってくださいました。

学生たちのワークショップ

 そして昨年12月19日、九大大橋キャンパスにて、学生たちが自らアート作品を制作するワークショップが開催されました。 私もキハラネオン製作所の木原常務とともに午後の部に参加しました。学生たちはまず自分の作りたいデザインを紙に描き、その後、坂口講師の手ほどきを受けながら、ネオン管の曲げ加工や電極付けを実際に体験していきました。初めて触れる技術に目を輝かせる学生たちの姿がとても印象的でした。

 今年に入り、再び栗山先生の研究室を訪ねると、忙しさもあり制作はあまり進んでいないとのことでしたが、真空度を目で確認するための新しい機器の導入準備を進めておられました。研究環境は着実に整いつつあるようです。

アートは世界を別のものとして映し出すレンズ

 栗山先生は九州大学芸術工学部の准教授として、 「無」や「存在」といった概念を、美術作品の制作を通して探求しています。 同時に、造形表現に共通する基礎要素を体系化し、「美の秩序」を解明する基礎デザイン研究にも取り組んでいます。

 アート作品は世界を別のものとして映し出す“レンズ”であり、鑑賞者はそのレンズを通して新たな世界観を構築する??。 栗山先生は、独自の感性と「美の方程式」によって新たな視点(パースペクティヴ)を提示し、作品が“触媒”となって鑑賞者の内側で化学反応が起こることを目指しています。

 今後の研究として、入手が難しくなりつつある水銀を使わず、他のガスを使用した青色発光のネオン管の実現にも期待が高まります(ちなみに先生ご自身は、赤色のネオンが一番お好きだそうです)。今後、先生の研究が我々のネオン業界にも少なからず良い影響を与えてくれる事を願うばかりです。

九州支部 松山 亨

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!