北海道支部
㈱シモモト工芸社
下元陽司さん
―お仕事について教えてください。
サインと店舗の内外建築から増改築、設計から管理までお店づくりに関する全般的な仕事をしております。
―印象に残っているお仕事は?
20 代前半の時に田舎のパチンコ屋さんに、初めて飛び込み営業した時のことです。当時はまだパソコンなど無く手書きのパースの時代でした。私は絵が描けないので工場で余ったアクリル板やシートなど使ってファサードデザインの模型を作りプレゼンしたことを覚えております。他社に負けないようなデザインでお客様に褒めてもらおうと凝ってしまい、ネオンから様々な素材を駆使したところ予算をオーバーし、会社からはこっぴどく叱られてしまいました。ただお客様と一緒に想い描いたものが具現化したのは嬉しかったです。当時は若かったのでかなり無理難題にチャレンジしました。サインでは使わないような素材でも造形になりそうなものは何でも取り入れたり。今考えれば危険なものもあり、若気の至りでした。
―やはり失敗もありましたか。
かなり狭い小屋裏に無理やりネオン配線をしてしまったことが。見た目がかっこよかったからですが、それが原因で火災が起きました。責任を取るために退社も考えましたが、その前にしっかりと謝罪と誠意の対応をと必死でした。しかしこの経験が弊社の教訓となり、サイン業者として「安全且つ責任ある施工」を通し社会に貢献していくことを社員全員で取り組むきっかけとなりました。同じことを繰り返さないように、失敗から学んで次にステップアップすることが大切ですね。