ゆるいデザイン

北海道旭川市で2001年に起業して今年で22年目。わたしのお仕事はロゴマーク、印刷物デザイン、広告、看板、パッケージデザイン、イラストなど様々です。

かっこいいものより、ゆるくあたたかいものが得意と気づき始めたのは10年ほど前。それ以前のお仕事は通り一遍のことしか考えておらず、完成して終わり。お客様もほとんどが印刷屋さんで、どんな人が向こうにいるか聞こうともせず、想像もしませんでした。

例えばチラシを作る場合、印刷屋さんの営業さんから「かっこよく派手に、ここ目立たせて、そしてここも、ここも目立たせて」と言われ、その指示の奥も考えず作業をして、出来上がったものはどこも目立たないもの。どこに目をやっていいかわからないものでした。それでその営業さんが納得しているなら良い、そう思っていました。またはどんなデザインで、というのもない場合は、自分だけがこれでいいと思うものを作る。原稿を入れて終わり。これをどんな人が見るなんて想像もせず、提案もしなかった。そしてできあがった仕事を振り返ることもありませんでした。

10年ほど経ちいろいろな人と繋がり、直接お仕事をもらうようになりました。例えば居酒屋さん、動物園のグッズ屋さんなど。話を聞いていると、そっか!こんな方に届くんだ、こんな方が手に取るんだ!だったらこっちの方が楽しいよ!働いている人も楽しく、お客さんも楽しいもの、こんなのいかがですか?と提案をできるようになり、あたたかく、手に取ってもらえるようなものを、そのようなものが得意になってきました。

ロゴのデザインもわかりやすく、きれいで読みやすい、とは真逆のものを作る。普通だったら「これ、読めないから見やすくして欲しい」と言われることもありますが、言われる前に「これ、読みづらいけれど、わざとそれをお客様との会話に盛りこんでください」や「文字を右上がりにしたのは、このお店にいると気持ちが上がる」、「文字の(「お」や「す」などの)穴が埋まっているのは心の隙間が埋まる場所」などと提案するとOKがでます。

どんなロゴでもどんなネーミングでも、ストーリーや理由があるとそのものに愛着がわいてくると思うのです。という自分の「よつば舎」にはロゴがありません。私の手書きというのに変わりないのですが、時代に、年齢に合わせてちょっとずつ変化してます。

最近では食べ物のイラストのお仕事があちこちから来るようになりました。「写真よりおいしそう!」と言われるよう描いてます。描き始めたきっかけは、毎日いただいたお仕事の作業でちょっと心が疲れて、本当に自分の好きなことってなんだろうと思い、昔からちょこちょこ描いていた食べ物の絵を思い出して、それでカレンダーを作ったのがきっかけです。

そのカレンダーがあちこちにいき、今では手作りカレンダーも地元あさひかわ新聞さんのカレンダーになり、イラストは雑誌の挿絵やメニュー、スーパーマーケットの案内サイン、看板に使われるようになりました。

まだまだこれからどうなるかわかりませんが、10年前があったから今があり、こんな感じで流れに身を任せて自分もお客様も、それを見た人も楽しいと思えるお仕事ができたらと思っています。

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