延岡の秋の風物詩、鮎やな

宮崎県延岡市では毎年10月になると五ヶ瀬川に「鮎やな」が掛かります。「鮎やな」とは、川をせき止めてその一部に流れ口を作り、成長して産卵のために川を下る鮎の習性を利用して、「落テ簀」と呼ばれる竹のスノコの上に落ちた鮎を採る300年を超える伝統的な漁法です。

やな漁は全国的に見られる漁法ですが、中でも川幅が100mを超える場所、さらに市街地の近くに仮設される「水郷延岡鮎やな」は非常に珍しく、他には類をみない壮大なスケールを誇ります。

長いこと延岡に住んでいますが、先日、初めて鮎やなに行きました。
河川敷にテントが張られ、机といすが設置された会場で、青空の下、川を目の前にして鮎を食べられます。

その日はまさに秋晴れというのにふさわしい天候で、会場に到着すると空と川が織りなす真っ青な風景が広がっていました。地元で見慣れたはずの光景なはずなのに、どこか違う町に来たような錯覚を起こしそうな、そんな景色でした。

会場では川の中に桟橋をかけており、鮎やなを間近で感じられます。目の前で天然の鮎が「やな」に入り跳ねている様子を見られるというのはとても稀有な体験でした。

しばし鮎やなを満喫したら席について、お楽しみの鮎を注文します。
メニューは単品からセットと様々なものがありましたが、「鮎づくしセット」を頂きました。内容は「塩焼・みそ焼き・せごし・甘露煮・鮎南蛮・なます・鮎飯・赤だし」と名前の通りの鮎づくしです。塩焼き、みそ焼きの鮎は「養殖」か「天然」を選べます。

会場内ではたくさんの鮎が焼かれている様子も見られます。鮎が焼かれているところを見ているだけでも楽しいです。

まずは前菜のせごしとなますが運ばれてきました。次に塩焼き→甘露煮→鮎南蛮→みそ焼き→鮎飯・赤だしの順で出てきて、ひたすら鮎づくしです。

塩焼きは棒に刺さって出てくるのですが、もうこのフォルムだけで美味しいです。人生でこんなに鮎を食べたことはないという位、たっぷりと堪能しました。

鮎やなは毎年10月~12月頭頃に開催されます。この期間に延岡に来ることがありましたら是非、鮎やなで鮎づくしなひと時を味わってみてください。

九州支部 ㈱堀田商事 M.K.

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