海は水のある森であり、森は水のない海である

土偶を読む:130年間解かれなかった縄文神話の謎/竹倉史人著/晶文社/2021年

「ついに土偶の正体を解明しました」と冒頭あり。大言壮語か…と思いつつ。土偶には諸説あり、邪馬台国論争と並び日本考古学の最大の謎だそうだ。

著者の竹倉先生は人類学者で大学などで講義、執筆活動をしている独立研究者。経歴には武蔵野美術大学映像学科を中退後、東大文学部宗教学科卒業、更に東工大大学院の理工学研究科価値システム専攻博士課程満期退学の後に世界各地を渉猟とある。

考古学の権威と呼ばれる方々に自説を一笑に付されたらしいが、先生によるとハート型土偶の顔はオニグルミ、中空土偶の顔はシバグリそのまんま。貝塚から発見された土偶の顔は貝、それぞれ…当時の人々が好んで食した食べ物を表したフィギュアである。

『海は水のある森であり、森は水のない海である』というフレーズに心惹かれて手に取った。

Y.N.

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