当社の「2024年問題」と「働き方改革」対策

2024年問題

今年4月から、我々建設業界においても時間外労働時間の上限規制、いわゆる「2024年問題」が始まります。また世の中では「働き方改革」への取り組みが取り沙汰されております。今回「ちょっとヒント…」では、当社としての取り組みについて少しご紹介させて頂ければと思います。あくまで当社の取り組みなので「まあ、こういうやり方もあるのね」程度にお聞き流しして頂ければ幸いです。

あるあるかと思いますが、永年当社は残業時間や深夜残業、休日出勤は当たり前のように横行する会社で、繁忙期には事務所が「不夜城」になるのは日常茶飯事でした。また残業手当も営業手当や現場手当などの一律手当を毎月支給するだけ、いわゆるサービス残業など当たり前で無法地帯の職場でした。これにメスが入ったのは、これもあるあるですが、遡ること3年前に「労〇さん」がやってきたことがきっかけでした(内部通報で無くて何よりでしたが)。

勤怠システムの入れ替え

当時、当社は社労士さんとも契約しておらず、本来なら毎年提出する36協定も〇十年前のまま。あわててネットで市内の社労士さんを見つけ、とにかく相談に乗ってほしいとお願いし、即契約。労〇さんの訪問にも対応して頂き、是正勧告も当社として対応可能範囲内で収まり、まずはホッとしました。これがきっかけとなり当社の残業代未払い解消に向けて社労士さんと取り組むことになりました。

まず最初に取り組んだのが「勤怠システムの入れ替え」でした。クラウド上で管理でき、直行直帰の社員もスマホで打刻が可能。毎日の全社員の残業時間を「見える化」が可能になったことで、誰がどれだけ残業しているのか一目で分かるようになりました。この勤怠システムは、残業申請、休日出勤申請や有休申請も可能で、上司も部下の管理がしやすくなりました。(結果的に良い意味で有休の利用者も増えました)。

就業規則の改定、給与規程の改訂、入退室制限

次に取り組んだのが、「就業規則の改定」と「給与規程の改訂」でした。詳しくは長くなるので割愛しますが、簡単に言うと、現在の手取り額をキープし、みなし残業時間(30~45時間)を設定し、新たな基本給を再設定する、という取り組みでした。またみなし残業時間を超過した分や、深夜割増なども法律に則った形で計算するよう変更。
社員からは、はじめ異論や反論がありましたが、手取りが少し増える条件?でみな納得。

次に取り組んだのが残業時間の温床となっていた事務所の入退室制限で、「入退室管理システム」の導入でした。社員にICカードを配り、社員の働き方に応じて入退室可能な時間に「制限」を掛けることが可能で、当社では夜22時半で完全に施錠して事務所から出られなくしました。また日曜日も完全に入れない設定とし、残業時間の削減にある程度効果が見られました。ただどうしても現場に直行直帰する社員は、この制限がかからないのが難点です。

働き方改革

あと残業規定のマニュアル化や、現場の直行直帰時の打刻ルール。公共交通機関での移動時の労働時間の取り扱い等々、徹底的に社員へ教育指導を行いました。合わせて働き方改革として、深夜勤務する社員向けに「勤務間インターバル制度」、半日有休の導入などを行いました。今年から永年の伝統であった月1回の土曜日出勤を廃止。完全週休2日制を実現しました。

しかしながらこれらの取り組みがあっても、一部の社員の中には60時間超や80時間目前にまでいくこともあります。3年間続けてみた感想ですが、やはり経営者自らが、社員ひとり一人の働き方を「見える化」し、管理指導していく他ないかなと思っております。これが当社の取り組み例です。どうかご参考までに。

中部支部
K電気㈱
A.H

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